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進学塾学協は60年を越える歴史を持つ伝統ある塾であり、諸先輩の時代から、誠実で熱のある指導を誇りにしてきた、とても個性に恵まれた塾です。昭和の頃には、時代の特徴ともいうべきスパルタの要素が前面に色濃く出る時期もありましたが、やがて平成の頃を迎えると、生徒たちとの距離感はぐっと近くなり、よりきめ細かく親身な指導へと、常に前向きな変化をたどりながら、長く今日までを過ごしてまいりました。これから、この塾の特徴として、学習指導法や学習環境について、ご紹介します。
時代の動きと並行して塾業界においても大型化、多教室展開の流れが勢いを増す中で、学協は、それまで都内各所にあった教室を、あえて成城教室一か所にまとめる、という思い切った選択をしました。指導の質を高め、キャリアの豊富な講師による確かな指導を現実のものとするための判断です。「生徒一人一人の顔と名前、性格や学習上の特徴、これまでの勉強のたどり」など、指導するうえで極めて大切なことがらについて、しっかりと把握できる規模こそが我々の求めるべきものであると考えました。
「情報量の豊かさ」「多数のクラスでのしのぎあい」などが大手塾のメリットであるならば、小規模の塾の強みは、「親・子・塾の三者の関係」において、互いの顔が常日頃から明瞭に確認できる点につきます。さらには、講師が異動することなく、常にお子様と向き合い、信頼関係を築いたうえで、質の高い安定した指導を行うことのできる点も、大きな長所です。
中学受験や高校受験に備えて、各科目における基礎から応用までの正しい理解と確かな習得が必要不可欠です。学協では、わかりやすい説明で明確にポイントを指摘し、受験の実情に沿った質の高い授業を実施しています。指導を行っている講師はすべて、小中高生たちへの長い指導歴を経ており、キャリアは申し分ありません。しかし、慢心を避け、しなやかな感性をのもとで、さらなる効果を追求する指導を実践しています。
授業は、この塾で過ごす時間のごく一部です。学協では、授業以外の質問や補習、個別課題などにも特に力を入れており、「解けない問題」「苦手な分野・単元」「伸ばしたい科目」「欠席した場合の内容」などについて、多くの生徒たちが、授業のない日や、授業の前後に塾にやってきて、学習のときを充実して過ごしています。積極的な生徒は自分でどんどん動きますが、消極的なお子様にもこちらから声がけをして、理解への橋渡しをすることを大切にしています。
「受験対策」「内申対策」「内部進学対策」「検定試験対策」など、個別授業に通う生徒たちの目的はさまざまです。個別授業の最大のメリットは、自らが理想とする授業をコーディネートすることがほぼ可能である点です。「曜日や時間」から始まって、「科目」「レベル」「ペース」「量」「講師のタイプ」などについて、幅のある選択の自由があります。授業内容に「疑問点や苦手なところ」を集中して盛り込むこともできます。
学協の個別授業の講師は、過去に多くの生徒たちを教えてきた個別専門講師、集団との兼任講師が生徒の指導を担当します。ただ、わかりやすく教えるだけでは生徒たちの目的に成果をもたらせないことは十二分に承知しています。「なれあい」になることのない信頼関係のもとで、親身に、時に厳しく、生徒の長所を伸ばし、欠点には適切な対策を施すことで、掲げられた目的への確かな成果を得られるよう、個別のメリットを最大限にいかして授業を行っています。
個別授業は、「講師の質や能力」「講師の生徒の学習への差し向け方」などの違いによって、学習効果が著しく左右される形態であることも大きな事実です。
自分専用の先生がいて
・「問題をわかりやすく丁寧に優しくすべて説明してくれる」
・「生徒が解き終わるまで時間をたっぷりくれる」
・「忙しくて宿題をやっていなくても何も言わずに認めてくれる」
・「その日の気分や調子に合わせて学習の量やペースが調整される」
これらは、ともすればマイナス面になりかねない個別授業の特徴です。このような授業を講師にもたれかかって受け続けていても、居心地や都合のよさに浸りきっているだけで、時間や費用がかかる割には効果が上がることがなく、「生徒の成績が上がる」「得点力が増す」という成果が得られない恐れがあります。
最終的に目指すのは、「生徒が自分の力だけで限られた時間内に目の前の問題を解ききれる力」であるべきです。このことを考えれば、講師の質へのこだわりは大切なポイントとなります。私たちが重視している点もそこにあります。
学協はこぢんまりとまとまった塾ですから、入塾後、子供たちはすぐに講師の顔と名前、担当科目などを覚えます。そして、授業前後や授業のない曜日にやってきて、「前回の授業で解説された理解しづらい例題」「テストでミスした難しい問題」「学校の定期テスト学習中の疑問点」などを1対1で質問します。講師に口頭、あるいは電話などで日時を予約して質問の時間を確保する生徒、講師の空き時間を熟知していて、そこにやってくる生徒などさまざまですが、ひかえめで恥ずかしがり屋のお子様の場合は、お父様やお母様にご連絡をいただき、塾側から質問をうながすこともあります。
また、欠席した授業や苦手な分野・単元、学校の定期考査の内容などについて、授業とは別に補習を受けることも可能です。電話やメール、メモなどでご連絡いただければ、担当講師とお子様の都合を調整したうえで集団の講師による補習を実施しています。このことにおいて、個別の生徒、集団の生徒に境は設けていません。
塾が開いている限り、自習のための可能なスペースは開放しています。夕方以降は個別、集団ともに授業が始まりますから、図書館の学習室のようなしわぶき一つ立たぬ静寂といったものはさすがに得られませんが、集中していれば周囲の音は耳に入らない、という子もいれば、逆にある程度の周囲の音や気配の中でこそ落ち着いて勉強ができるといった神経の太い子もいます。学協の中高生の中には、小学生時代から通っている生徒たちも少なくはありませんが、過去の自分たちと同じ姿を懐かしく傍に見やりながらも、耳栓はしっかりとして自分の学習に没頭する子たちもいます。自習する中で生じる疑問点は、タイミングさえ合えば質問可能です。家だと誘惑が多かったり、つい気持ちが緩んだり、幼い弟や妹がいて集中できなかったりする場合は、塾を「学習の場」、家は「くつろぎの場」と明確に分立させるケースも少なくはありません。
80年代までは、成城の町には大手塾の進出はあまり見られず、学協をはじめ多くの塾は中小規模形態で生徒たちの指導を個性的におこなっていました。しかし今では、大小さまざまな塾がひしめき合い、成城の通りには近辺の学校に通う学生以外に各塾生たちの通塾姿が数多くみられるようになりました。踏切はなくなり、成城学園前の駅舎も様変わりし、愛着ある書店、商店が一つ、また一つと姿を消していく一方で、昔から変わらぬたたずまいを見せる趣ある店舗も少なくありません。
学協は、小田急成城学園前駅北口から歩いて約3分。文具店、スーパー、コンビニ、商店などの通塾途中の通りは、風紀上に大きな問題はなく、過度な交通量も見られません。春先にはツバメが通りをさわやかに飛翔し、美しい桜の並木は閑静な住宅街を彩り、また夏には
真っ青な空に厚く立派な入道雲が高々と姿を見せます。秋には成城大学の正門前のイチョウ並木が黄金色に美しく紅葉し、冬には乾燥した空気をへだてた青空の果て、富士の姿がくっきりと目に映ります。この成城の地で、これからも小中高生たちの健やかな成長を見守り続けていきます。
これまでの60年あまり、小学生や中学生、高校生をお預かりする中で、有難いことに大きな事故や事件などは一切ございませんでした。しかし、それに甘んじることなく、大切なお子様の安全を確保するために、職員一同、最大限に意識を高め、細心なる注意を配り、可能な限りの努力を続けてまいります。システムだけにたよるのではなく、生徒たちの身を守る意思を心の軸に据えて、危機管理にあたってまいります。
飾り気なく自らの思い、喜怒哀楽の感情をありありと言動において表す子供たちは、人が人として成長していく過程の中でも、特に素朴なドラマ性に満ち溢れています。自分の、そして自分の周りの来し方をまざまざと呼び起こさせるものであり、大人としての己自身の資質や価値が否応なく試される場面にも立ち会うこととなります。さほど子供たちは正直な偽りのない存在です。昔から受け継がれる学協の精神は「力をつける」「真剣に勉強する」「決めたことはきちんとやる」などシンプルではありながら、なかなか徹底することのできない、根気強さの求められることばかりです。教える側も教えられる側も、このことに向き合う毎日を過ごしています。
様々な業界でチェーン店、大型店が流通や消費の場を占有する現代だからこそ、確かな個性や独自性を備えた価値ある存在の意義もあります。この塾が、これからも、さまざまな思いを持つ人と人とが多く集う、楽しくも真剣な学習の場、成長の場であるための努力をしていきたいと考えています。
この塾に集うお一人になっていただければ、大きな喜びです。
進学塾学協代表 山口泰史